遺言書とは?

今回はドラマや小説ではよく目にする「遺言書」についてのお話となります。

遺言書とは、死後の財産の行き先や遺志を生前に決めておく手段の事で、遺言書を作成することで、自分の意思を確実に伝えることができます。

遺言書と言っても「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」と呼ばれる形式があり、それぞれ特徴があります。

自筆証書遺言

遺言者自身が手書きで作成する遺言書で、遺言の内容を自分以外に秘密にすることができ、作成に費用がかからず、いつでも書き直せる利点があります。

自筆証書遺言は、遺言者自身が自分の意思を文字で表現する方法で、手書きで作成するため、自分の言葉で遺産の分配や遺志を伝えることができます。しかし、遺言書の内容が法的要件を満たしていない場合、無効になる可能性があります。例えば、遺言状を作成した日付を「令和6年8月吉日」としてはいけません。明確に「令和6年8月10日」と記載しなければなりません。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人が遺言者から聞いた内容を文章にまとめ、公正証書として作成する遺言書です。公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を正確に記録し、法的要件を満たす形式で作成します。遺言書の内容が遺言者の意図通りに反映されるため、信頼性が高いと言えます。ただし、証人二人以上の立ち会いが必要であるため、手続きには時間と費用がかかります。

遺言を残すメリット

相続人への負担軽減

遺言があれば、相続人同士で遺産の分け方を話し合う必要がなくなり、相続手続きの負担が軽減されます。

相続人以外への遺贈

遺言書を作成することで、内縁の配偶者など相続人以外の人にも遺産を遺せるメリットがあります。

遺言書を残さなかったことによるトラブルの例

1.認知症になってから遺言書が作成されたケース

認知症が進行している場合、遺言能力が争われ、裁判所から遺言が無効と判断される可能性があります.遺言書を作成する際には、遺言者の意思能力を確認することが重要です。

2. 遺言内容があいまい

あいまいな遺言がされた場合、特定の対象物件や財産の評価が不十分として遺言の効力が認められないことがあります。遺言書を作成する際には具体的で明確な表現を心掛けましょう。

3. 遺言が発見されない、隠されてしまう

遺言が作成されても、死後に見つけてもらえなければ意味がありません。遺言書を法務局や公証役場で保管しておくことで、紛失や発見されないリスクを軽減できます

これらのトラブルを避けるためには、遺言書を元気なうちに作成することや、遺言執行者を指名することが有効です。