所有者の記載と住居表示について
登記簿の『権利部(甲区)(所有権に関する事項)』の『権利者その他の事項』欄には、『不動産(土地建物)の所有者は誰なのか、いつどのような原因で(売買、贈与、相続など)取得をしたのか』が分かるように記載されており、この情報は、法務局が管理しています。
法務局で保管されている不動産の登記情報のうち、所有者に関する情報には『氏名』と『所有者の住所』も含まれており、所有者本人の特定のために重要です。
この『所有者の氏名、住所』は登記をしなければ更新をされることはないのが特徴です。
住所移転をする際に役所に届出を出すと、住民票の住所は更新をされますが、登記は登記をしない限り新しい住所が記録されることはありません。
また、よく間違えやすいのが『住居表示を土地の地番と思い込んでしまうこと』です。
住所の表示が異なる理由
‣『住所』『土地の所在』『建物の所在』は別個のものとして考えられている
『住所』は人の生活を主体としています。(郵送時に使う住所など)
住民票に記載されるのも『住所』です。
『土地の所在』は土地を主体とし、土地を特定するために割り振られています(地番と呼ばれます)。
『建物の所在』は建物を主体とし、建物を特定するために割り振られています(家屋番号と呼ばれます)。
昔までは『住所は土地の所在』をもとに特定していたため、地番と住所が同じでしたが、1960年代の都市化に伴い、地番をもとに実際に住んでいる住所を特定するのが困難になっていきました。
この問題を解決するために『住居表示』という精度が導入され、土地の歴史的な地番にとらわれず現代の街区や道路に合わせた合理的な体系で示されているため、郵便物の配達や公共サービスの提供など効率的に行えるようになりました。
この住居表示によって新たに割り振られた番号が『住所』です。
※住所が新しくなっても、土地や建物を特定するための『地番』『家屋番号』は依然として使われています。
その他登記簿詳細内容と確認するポイントについて
‣順位番号
登記された順番に数字が付けられています。
‣登記の目的
◇所有権保存登記:初めての登記の場合
◇所有権移転登記:2回目以降の登記の場合(登記の原因も確認する)
◇仮登記(①所有権移転仮登記 または ②所有権移転請求権仮登記)
何らかの理由で本登記ができない場合に将来の本登記に備え、権利の優先順位を確保する目的の登記
①所有権移転仮登記:すでに権利変動は発生しているが、移転登記をするために必要な書類の紛失や不備により本登記ができない場合の登記
②所有権移転請求権仮登記:売買契約や決済などが完了しておらず、まだ権利が発生していない場合の登記
◇差し押さえ・仮差押:税金の滞納や抵当権行吏が原因である場合が多い。
‣登記年月日と受付番号
登記申請を受け付けた日付と受付番号が記載されています。